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【ボイラー】重油の特徴について

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ボイラー
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 この記事では、ボイラーによく利用される液体燃料、重油について特徴を紹介します。

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反応

 重油は、酸性の場合は金属を腐食させ、アルカリ性である場合は重油の乳状化を起こしやすいため、中性でなければなりません。また、重油には製造過程で使用された硫酸や水酸化ナトリウムが残っている場合があるため注意が必要です。

引火点・着火点

 重油の引火点は、日本工業規格では60ないしは70℃以上ですが、実際は100℃前後です。また、灯油の場合は企画では40℃以上ですが、実際には50ないしは60℃前後です。一般に液体燃料では密度が小さいものは引火点が低く、粘度も低くなります。
 重油の着火点は250~400℃程度です。

粘度

 粘度はタンクからの送油における圧損、ポンプの性能、バーナでの油の微粒化特性に関係が深く、これが適切でないと吐出圧力の低下、ポンプ動力の増大、微粒化時の液滴径の増大等の問題を引き起こします。特に重油は粘度が高いため、霧化に適切な粘度になるよう予熱する必要がありますが、これが低すぎたり高すぎたりした場合には以下のような害があります。

 予熱温度が低い場合
  ① 霧化不良となり、燃焼が不安定となる
  ② すすが発生し、炭化物が付着する
 予熱温度が高すぎる場合
  ① バーナ内でベーパロック(油蒸気を発生し、管内を詰まらせること)が起きる
  ② 噴霧状態にむらができ、いきづき燃焼(振動燃焼)になる
  ③ 炭化物生成の原因となる

流動点と凝固点

 燃料油を動揺させないで一定条件下で冷却していくとき、燃料油が流動状態を保つことができる最低の温度を流動点、流動性を全く失う温度を凝固点といい、一般的に凝固点は流動点より2.5℃ほど低いです。
 流動点が高い重油を扱う場合、配管の蒸気トレスや保温施工するなどして、流動性を保つことが重要になります。

残留炭素

 油が極めて高温に加熱されると揮発分と残渣に分離されます。発生した揮発分は燃焼され、還元状態で生成されるコークス状の残渣を残留炭素と呼び、ばいじん発生量の指標にもなります。

 ばいじん [g/m3] = 0.02~0.04×残留炭素 [wt%]

 これが多いとバーナの噴射口の内外に炭素が固着して油の霧化を不良にし、伝熱面に付着して伝熱を悪くします。また、タンク内に生成するスラッジの量が多くなることから、残留炭素分は少ないことが望ましいです。

灰分

 液体燃料中の灰分は、原油中にもともと存在した有機金属化合物、スラッジ、石油精製工程で混入した触媒粒子などからなります。重油中に特に多く含まれているものに、ニッケル、バナジウムがあり、特にバナジウムはバナジウムアタックの原因となります。

水分

  水分は不純物であり、これが多量に含まれると燃焼の不安手、フィルタの目詰まり、タンク、配管、バーナ等の金属部分の腐食要因になります。水分は外から入って相当多くなることがあるため、貯蔵タンクで比重差により分離し、底にたまった水分を排除するような場合で、乳状化した水分がスラッジを生成しているときは、水分分離用の添加剤を使用してスラッジを分散させるのが推奨されます。

重油の安定性

 重油は各種構造の炭化水素の集合体であるので、ある条件を与えると安定な平衡を失い、スラッジ、ガム状の物質を析出することがあります。また、重油は蒸留工程、分解工程などで過酷な熱履歴をもっているので不飽和結合を多く持っており、さらに灰分や水分などが溶存酸素と反応してスラッジの生成を促進すると言われています。実用上、適当なスラッジ分散剤を添加することも行われていますが、貯蔵タンク底部など可能な限り循環をよくすることが望ましいです。

最後に

 この記事では液体燃料、特に重油に着目しました。他の固体燃料、気体燃料についても紹介するつもりでいます。

 ご安全に!

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