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【ボイラー】燃焼室への通風方式まとめ

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ボイラー
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 ボイラーの燃焼室へ燃焼空気を送る方法や、その特徴について紹介します。試験ではよく問われるので確実に覚えましょう。大別すると自然通風と、人工通風に分かれます。また、人工通風の中には押込通風・誘引通風・平衡通風の3つがあります。

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1. 自然通風

 自然通風は、煙突の吸引力のみで通風を行う方式です。煙突内の燃焼ガス温度は外気温より高温のため密度が低いため浮力が生じて煙突内を上昇します。一方、大気圧によって空気が燃焼室に侵入し、燃焼室内のガスを煙突へ押し出します。これにより通風が生じます。

 煙突によって生じる通風力は、燃焼ガスと外気の密度差に煙突高さを乗じたものとなり、以下の条件で大きくなります。
①燃焼ガス温度が高い
②煙突の高さが高い
③煙突の直径が大きい

2. 人工通風

 人口通風はファンを使用して強制的に通風を行うもので、通風抵抗に影響されずに通風を確保できるため、加圧燃焼ボイラーから小容量ボイラー~大容量ボイラーまで広く用いられます。
 人口通風は、通風力の調整が容易であり、自然通風よりも燃焼効率を高められるため、通風効果が大きくなります。また、炉内圧に対して安定した通風力が得られ、天候や気温による影響が少なくなります。以下、人工通風の3つの方式について紹介します。

2-1. 押込通風

 押込通風は、燃焼室入口にファンを設けて燃焼用空気を大気圧より高い圧力で炉内に押し込む方式のため、加圧燃焼になります。この方式は、一般的に常温の空気を取り扱い、所要動力が小さいため炉筒煙管ボイラーなどに広く用いられます。特徴は次のとおりです。
①炉内に漏れこむ空気が無く、ボイラー効率が上昇する
②空気流と燃料噴霧流との混合が有効に利用できるため、燃焼効率が高まる
③気密が不十分だと燃焼ガスや、ばい煙が外部へ漏れる

2-2. 誘引通風

 誘引通風は、煙道の終端に設けたファンを用いて燃焼ガスを誘引する方式です。この方式の特徴は次のとおりです。
①炉内圧は、大気圧より低くなる(負圧)ため、燃焼ガスの外部への漏れだしが無い
②誘引ファンは高温でボリュームの大きいガスを取り扱うので、大型のファンが必要で、所要動力が最も大きい通風方式である
③石炭や重油の燃焼ガス中いはすす、ダストおよび腐食性物質を含むことがおっく、さらにガス温度が高温のためファンの腐食や摩耗が起こりやすい。

2-3. 平衡通風

 平衡通風は、燃焼室入口に押込ファンを設けるとともに、煙道終端に誘引ファンを設けて、大きな動力を使って通風を行う方式で、上記2つを組み合わせた方式です。運転圧は、誘引通風と同じで、負圧で運転します。特徴は次のとおりです。
①通風抵抗の大きいボイラーでも、強い通風力が得られる
②燃焼調節が容易
③燃焼ガスの外部への漏れが無い
 上記にもありますが、平衡通風方式は、他の押込・誘引通風を組み合わせたものなので、平衡通風の概略フロー(おまけつき)を貼っておきます。

余談

 平衡通風方式では燃焼室内は負圧なので、外部から空気を取り込んでしまいます。このせいで物質・熱収支が取りにくく、運転の解析が難しいです。また、外気を取り込むことで過剰に空気が入り込みボイラー効率の低下につながります。
 酸露点については、燃焼排ガスの組成によりますが大体130~180℃くらいでドレンが発生して腐食の原因になります。(IDFから煙突までの配管でドレン抜きをしたことありますが、濃い緑色でした。道中の配管から鉄イオンが溶け出したと思われます。)

排ガスの温度管理で対応できなければ、耐食性のある材質にするか、プレヒーターは消耗品、と割り切って定期的に交換する必要がありますね。空気予熱器(プレヒーター)についても記事がありますでのよければぜひ。

 NOxの排出は、運転方法や設備改造によって改善可能です。これについては別記事にしましたのでよかったら合わせて見てください。

最後に

 今回は通風方式についてまとめてみました。パワポでお絵かきしてて気づきましたが、空燃比や低NOx運転、酸露点等についても記事にできそうですね。気が向いたらこれらも記事にしてみようと思います。

 ご安全に!

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