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【ボイラー】ボイラー用燃料の種類と特徴について

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ボイラー
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 この記事ではボイラーに使用される燃料について簡単に紹介します。燃料は大まかに固体燃料、液体燃料、気体燃料の3種類に分別されます。それぞれの詳細については別記事で紹介します。

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固体燃料

 固体燃料とは具体的に、石炭、木材、廃棄物などが挙げられますが、ボイラー用には石炭が最も多く使用されています。

 石炭は、植物を起源とする化石エネルギー資源です。大昔(数千万年前~数億年前)に植物が湖や沼の底に積み重なったものが、地中の熱や圧力の影響を受け、炭素が濃集して石炭が生成されていきます。石炭は1)炭素の濃集度合、2)用途により分類されています。

  1. 石炭化度による分類:石炭の根源植物が石炭に変質する過程を一般に石炭化作用と呼び、この進行度合を石炭化度と言います。石炭は、石炭化度により無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭に分類されますが、日本では一般に無煙炭から褐炭までを石炭と呼んでいます。
  2. 用途による分類:大きく分けて原料炭及び、一般炭に分類されますが、原料炭は一般的に粘結性のある石炭で、主に製鉄(コークス)の原料として、一般炭は主に発電用燃料として用いられています。
JCOAL webサイトより引用

液体燃料

 ボイラー用液体燃料の大部分は重油です。重油は動粘度により1~3種(A~C)の3種類に分類されます。用途としては、A重油が中小工場のボイラー用、ビル暖房用、小型船舶用ディーゼルエンジン用、ビニールハウス暖房用燃料として使用されています。B重油は中小工場のボイラー、窯業炉用燃料として使用されてきましたが、近年需要は激減しています。C重油は電力、化学、紙パルプ工業等のボイラー用、大型船舶用ディーゼルエンジン用燃料として使用されています。

重油のJIS規格(JIS K 2205-1991から抜粋)

 液体燃料は、固体燃料に比べて以下の利点を持っています。

  1. 品質がほぼ一定で発熱量が高い
  2. 輸送、貯蔵などが便利
  3. 貯蔵中の変質が少ない
  4. 灰分が少ない
  5. 計量が容易

気体燃料

 ボイラー用の気体燃料としては、天然ガス(都市ガス)、液化石油ガス(LPG)、製鉄所や製油所等から発生するオフガス(副生ガス)と呼ばれるその他ガスが挙げられます。
 これらの気体燃料は、液体・固体燃料と比べると次のような特徴があります。

  1. CO2の排出量が少ない
    成分中の炭素に対する水素の比率が高いため、同じ熱量を発生させた場合、CO2の排出量が少ない。天然ガスの場合、石炭の約60%、液体燃料の約75%となります。
  2. クリーン
    燃料中の硫黄、灰分が少なく、公害防止上有利で、伝熱面や炉壁を汚染することがほとんどありません。また、バーナーの閉塞、摩耗、汚れ及び取り扱いによる環境汚染も少ないです。
  3. コスト高
    燃料費は他の燃料に比べて割高であり、配管光景が液体燃料に比べると太くなるため、配管や制御機器などが高くなる傾向にあります。
  4. 漏洩時に爆発の危険がある
    気体燃料はいったん漏洩すると可燃性混合気を作りやすく爆発の危険があり、漏洩防止、漏洩検知などに十分留意する必要があります。また、LPGは密度が空気より大きい為、窪み等の底部に滞留しやすく、他の気体燃料とは違った配慮が必要になります。
  5. 燃焼室の火炎による輝炎からの熱放射は小さいが、対流伝熱部のガス高温部の不輝炎からの熱放射は大きくなる

余談

 気体燃料の特徴として、クリーンであることを挙げましたが、実際にはそうでもないケースがあります。それは、カーボンブラックを製造するような、重油を不完全燃焼させた副生ガスを燃料として使うケースです。重油には硫黄化合物が含まれており、それが副生ガスに含有されるため燃焼排ガスにはSO2やSO3が含まれることになります。硫黄酸化物を含む排ガスは、空気予熱器で熱回収され露点以下になると低pH水が発生し煙道や空気予熱器を腐食(低温腐食)させます。

最後に

 ボイラー用の燃料3種類について簡単にまとめました。それぞれについて別途詳細な記事を書く予定です。

 ご安全に!

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