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【ボイラー】ボイラー水中の不純物、その影響は?

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ボイラー
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 今回は、ボイラー水中の不純物はどんなものがあるか、そしてその影響について詳しく紹介します。以前、ボイラー水の評価指標について記事にしましたが、その続きという位置づけになります。

まずは、不純物の種類についてまとめます。

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溶存気体

 ボイラー水に含まれるガスは、酸素、二酸化炭素、アンモニアなどが含まれることがあります。これらのガスは鋼材の腐食の原因となり得ます。酸素は直接腐食作用を持っているほか、他の物質との化学作用により腐食を増長ます。また、二酸化炭素は酸素と共存すると腐食作用を進行させます。アンモニアは過去に記事にしましたが銅系の物質に対し腐食作用を持っています。


 これらのガス、特に酸素をボイラー水中から抜くために脱酸素剤を給水に注入して水質調整を行ったり、ボイラー系統に脱気器が設置されるわけです。

溶解固形物

 溶解固形物は、ボイラー内で蒸発により濃縮し、スケールやかまどろとなり、また腐食の原因にもなります。特に、カルシウムイオンやマグネシウムイオンは、ボイラー水の軟化を目的として注入される清缶剤により、リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムとしてかまどろを形成します。

  • ・カルシウム、マグネシウムの炭酸水素塩類
  •  沸騰により不溶解性の炭酸塩とCO2に分解され、炭酸塩はスラッジ(かまどろ)となってボイラー内に沈殿します。

    ・カルシウム、マグネシウムの硫酸塩類
     沸騰によっても分解されず、濃縮して硬いスケールとなって析出する。硫酸カルシウムは硬いスケールの原因となります。一方、硫酸マグネシウムは単独ではスケール性は少ないですが、塩化物と共存しすると腐食性をもつようになります。

    ・シリカ化合物
     カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどと複雑な化合物を形成し、硬いスケールとなります。熱の伝達率は著しく悪く、しかも固着したスケールは除去が困難で厄介です。

  • ・浮遊混入物
     泥、砂、有機微生物、水酸化鉄、油脂分及びコロイド上のけい酸塩などがあります。ボイラー水中に浮遊して水面に漂い、あるいは沈殿します。特に油脂分は水面に漂いキャリーオーバーの原因になります。
スケール成分の混入箇所とスケール障害の発生する設備 図
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/075.html

スケール・スラッジの影響

 スケールは以下の表にあるように、ボイラの材質である鋼などに比べ熱伝導率が極端に低いため、ボイラ燃焼室からボイラ水への熱伝導が阻害され、熱効率が悪くなり、エネルギーロスにつながります。また、蒸発管等の伝熱部のスケール付着部分が過熱されて、鋼の機械的強度が低下してしまい、蒸発管の割れや噴破による水もれに至ることがあります。さらに、スケールの材質によっては水管や煙管などの腐食要因にもなります。

http://boiler.shichihuku.com/mizukanri.html
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/075.html

最後に

 最後に、各不純物と、その影響についてまとめた表を張っておきます。確実に押さえて、ボイラーの安全・安定運転に努めましょう!

https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/068.html

 ご安全に!

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