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【プロセス】カーボンブラックってどんなもの?

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プロセス
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 今回は趣向を変えて基礎化学品の紹介をしてみようと思います。第一弾はカーボンブラック。これを選んだ理由は特にありません笑 しいて言えばプロセスが簡単で、かつ記事にするのに程よい特徴・身近な用途だからです。

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概要

 カーボンブラックとは、炭素主体(ほぼ純粋な炭素です)の微粒子です。油やガスを燃焼させることで製造しており、プラントでは様々な特性をコントロールするため運転条件を調整しながら製造しています。新聞インキの黒色顔料から、タイヤの添加剤、ハイテク素材の導電性付与剤まで、様々な用途に使用されています。

製造プロセス

 製造法は何種類かありますが、主流なのはオイルファーネス法で、原料油を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法です。ゴム用、カラー用カーボンブラックのほとんどはこの製法で生産されています。
 高温に耐えうる耐火物を使用した特殊な反応部に熱風空気と燃料(油)を導入し、完全燃焼させ1300℃以上高温雰囲気を形成した上で液状の原料油を連続的に噴霧し熱分解させます。反応炉下流域で生成したカーボンブラックを含む高温ガスに水を噴霧し1000℃以下まで急速に冷却され、反応を停止させます。(余談ですが、反応制御に噴霧水を使うため、反応炉を出たプロセスガスには大量の水分が含まれます。また、原料となる油中には硫黄化合物や窒素化合物が含まれており、プロセスガスが凝縮した際にはこれらが溶け込むことで低pHとなり、低温腐食の原因となります。)
 カーボンブラックの生成から反応停止までの反応滞留時間は一般的に数ミリ秒~2秒と非常に短いです。このような短時間の反応プロセスにおいて、反応炉の形や反応炉の製造条件、たとえば、反応温度や反応時間を調節することで、様々な粒子径やストラクチャー(粒子の繋がり)を持ったカーボンブラックを製造することができます。

旭カーボン株式会社HPより引用

 動画で見たい方は以下をクリック。東海カーボンさんのHPから引っ張ってきています。

特性

 カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察すると、球状の粒子がいくつか融着して複雑な構造を持っていることがわかります。球状の粒子の大きさを「粒子径」、粒子のつながりの大きさを「ストラクチャー」と呼びます。また、カーボンブラックの表面には水酸基やカルボキシル基など各種の官能基が存在しており、これらの量や組成を「表面性状」と呼びます。

 「粒子径」「ストラクチャー」「表面性状」は、いずれもカーボンブラックを特徴づける非常に基本的な特性であり、3大特性と呼ばれますこの3大特性はカーボンブラックをインキ・塗料・樹脂などに配合した際、黒度や分散性などの実用特性に対して、非常に大きな影響を与えます。

用途

1)インキ・塗料等着色剤
 カーボンブラックは、新聞インキ、印刷インキ、墨汁、塗料などの着色剤に広く用いられています。また、紫外光の吸収能にも非常に優れているため、樹脂に少量配合するだけで、着色効果に加えて優れた紫外線劣化防止効果を得られます。樹脂・フィルムの一般的な着色用途に、非常に広く使用されているほか、特に耐候性が要求される自動車バンパーや電線被覆、鋼管ライニングにも、カーボンブラックを配合した樹脂が使用されます。

2)導電性部材
 カーボンブラック粒子は黒鉛型の結晶構造を持ち、導電性に優れております。このためカーボンブラックは導電性フィラーとしても、広く使用されており、プラスチック・エラストマー・塗料・接着剤・フィルム・ペースト等に配合されます。例えば自動車の燃料キャップや燃料導入パイプには、静電気を防止するため導電性を付与する必要があり、カーボンブラックは優れた静電防止剤として使用されます。
 導電性カーボンはデンカのアセチレンブラックが有名ですね。

3)電子機器関連部材
 カーボンブラックは安定した抵抗性能を付与することもできるため、各種ディスプレイ部材、磁気記録部材、OAロール等の電子機器関連部材にも用いられています。

最後に

 化学品の紹介第一弾としてカーボンブラックを扱いました。需要がありそうであればシリーズ化しようかと思います。また、こんな化学品について知りたいというのがあれば教えてください。

 ご安全に!

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