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【ボイラー】蒸気過熱器(スーパーヒーター)って何?

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ボイラー
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 蒸気には飽和蒸気よりも温度の高い過熱蒸気というものがあります。過熱蒸気は飽和蒸気と違い圧力によって温度が決まっているわけではありません。大気圧下では、水を加熱して100℃で気化した蒸気が飽和蒸気で、100℃の飽和蒸気をさらに加熱して100℃を超える温度になった蒸気が過熱蒸気です。
この過熱蒸気を作るための装置について紹介します。

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概要

 蒸気過熱器(スーパーヒーター)とは、ボイラー等により発生する乾き飽和蒸気をさらに熱し、飽和蒸気の圧力に相当するより高い温度の過熱蒸気を発生させるための装置で熱交換器の一種で、過熱器とも呼ばれます。
 伝熱方式により、接触形、放射形および放射接触形があります。放射形は火炉の出口や上部などの高温部に設置され、火炎の放射熱を受けて蒸気を過熱します。一方、接触形はボイラの煙道の途中に配置し、燃焼ガスの接触によって蒸気を過熱するものです。過熱器を直接火炎に面するように置くと蒸気温度が不安定となり、また、過熱器の内部は蒸気のみであるから熱の伝導が水より悪く、損傷のおそれもあります。そのため、従来は接触形が主に用いられていましたが、高温高圧のボイラーになると過熱に要する熱量が大きくなるため、最近の大型ボイラでは接触形と放射形とを組み合わせた方法が多く用いられます。

過熱蒸気を使うメリット

 過熱蒸気を使うことによるメリットは以下となります。

  1. 蒸気原動機の熱効率が増加する
  2. 膨張後の蒸気中の水分が減少するため、タービン翼の破損などの故障を軽減する
  3. 蒸気配管でのドレン発生を少なくし、ウォーターハンマーの発生防止や、ドレン排出による熱損失の増加を防ぐ

過熱蒸気の温度調節

 一般に、蒸気温度400℃以上の過熱器を敷設するボイラーでは、蒸気使用先の必要性から、実用範囲にて、蒸気温度を一定に保つものが多いです。そのため、以下のような温度調節法があります。

  • 給水の一部を過熱低減器に注入し、過熱蒸気を減温して温度調節する方法で、広く採用されています。
  • 過熱蒸気の一部をボイラー水中に配置された熱交換器を通し、減温して温度調節する方法。給水の水質が良くない場合に使用されます。
  • 過熱器を通過する燃焼ガス量を調節して蒸気温度を調節する方法。
  • バーナの噴射角度を上下し、過熱器入口のガス温度を変えて蒸気温度を調節する方法。

過熱器用安全弁の調整

 過熱器用の安全弁は、ボイラー本体より先に吹き出すように設定します。これは、本体の安全弁が先に作動すると、過熱器への蒸気が減少し、過熱器を焼損させる恐れがあるためです。

最後に

 今回は過熱器について紹介しました。過熱器から発生する過熱蒸気は、プロセスの熱源や、反応器にフィードする原料、発電等様々な用途で使われます。飽和蒸気との違いも併せて理解しておきたいですね。

 ご安全に!

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